【映画監督が選んだ】映画ベスト10 2012年(BFI)

– The Directors’ Top 10 Greatest Films of All Time –

        (英国映画協会(BFI)による2012年版)


1位>東京物語
【 監督 】 小津安二郎【 出演 】 笠智衆
2位>2001年宇宙の旅
【 監督 】 スタンリー・キューブリック【 出演 】 キア・デュリア
3位>市民ケーン
【 監督 】 オーソン・ウェルズ【 出演 】 オーソン・ウェルズ
4位>8 1/2
【 監督 】 フェデリコ・フェリーニ【 出演 】 マルチェロ・マストロヤンニ、アヌーク・エーメ
5位>タクシードライバー
【 監督 】 マーティン・スコセッシ【 出演 】 ロバート・デ・ニーロ、ジョディ・フォスター
6位>地獄の黙示録
【 監督 】 フランシス・フォード・コッポラ【 出演 】 マーロン・ブランド、マーティン・シーン
7位>ゴッドファーザー
【 監督 】 フランシス・フォード・コッポラ【 出演 】 マーロン・ブランド, アル・パチーノ
8位>めまい
【 監督 】 アルフレッド・ヒッチコック【 出演 】 ジェームズ・スチュアート、キム・ノヴァク
9位>鏡
【 監督 】 アンドレイ・タルコフスキー【 出演 】 マルガリータ・テレホワ、オレーグ・ヤンコフスキー
10位>自転車泥棒
【 監督 】 ビットリオ・デ・シーカ【 出演 】 ランベルト・マッジォラーニ


 

アンケートは取る時代の空気、対象の監督によって左右されるが、385人の監督という数から極端な偏りが出ない代わりに中庸に寄る結果になったか。

385人の映画監督の各監督の選択基準はばらばらな筈なのに、一目見て、映画ファンによるランキングかと思った。

どこかのビデオレンタル店が選ぶ名画10とタイトルを差替えても通用しそうだ。

 

以前ならこの種のランキングの『市民ケーン』は1位、

『2001年宇宙の旅』が1位の時期もあった。

黒澤明『七人の侍』も上位に選ばれていた。

 

コッポラなら『ゴッドファーザーpart2』

スコセッシなら『レイジング・ブル』が選ばれたものだった。

 

 

 

 

実施している英国映画協会(BFI)は1933年に設立され、かの有名なAFIよりも全然古い組織。

1952年から10年毎に

【映画監督が選んだ】部門と

【映画批評家が選んだ】部門が発表される。

 

改めて見ると

・コッポラが2本選ばれている

・チャップリンの作品が選ばれていない

・溝口健二の作品が選ばれていない 

・ミケランジェロ・アントニオーニの作品が選ばれていない

・ヴィスコンティの作品が選ばれていない

・ブレッソンの作品が選ばれていない

・ゴダールの作品が選ばれていない

 ・アンゲロプロスのの作品が選ばれていない

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1位  1953年、モノクロ、138分、日本 

1979年【日本公開外国映画ベストテン(キネ旬戦後復刊800号記念)】第6位

1995年 BBC「21世紀に残したい映画100本」に選出

2009年【映画人が選ぶオールタイムベスト100・日本映画編(キネ旬創刊90周年記念)】第1位

2位  1968年、カラー、141分、イギリス(アメリカ)

1989年【外国映画史上ベストテン(キネ旬戦後復刊1000号記念)】第1位

1995年【オールタイムベストテン・世界映画編」(キネ旬発表)】読者選出 第1位

2008年 AFI【10ジャンルのトップ10・SF映画部門】第1位

3位  1941年、モノクロ、114分アメリカ

監督デビュー作

【監督版】1992年、2002年1位

【批評家版】1962年から2002年まで5回連続1位

1998年 AFI(アメリカ映画協会) 【アメリカ映画ベスト100】1位

2008年 カイエ・デュ・シネマ【史上最高の映画100本】1位

2015年 BBC【史上最高のアメリカ映画100本(The 100 Greatest American Films)】1位

 

4位  1963年、モノクロ、140分、イタリア(フランス)

アカデミー賞 【衣裳デザイン賞(白黒)】、【外国語映画賞】受賞

       【監督賞】、【脚本賞】、【美術賞】ノミネート

ニューヨーク映画批評家協会賞外国語映画賞】受賞

モスクワ国際映画祭【最優秀作品賞】受賞

 5位  1976年、114分、カラー、アメリカ

カンヌ国際映画祭 【パルム・ドール】受賞

ロサンゼルス映画批評家協会賞【男優賞】【音楽賞】受賞

ニューヨーク映画批評家協会賞【男優賞】受賞

全米映画批評家協会賞【監督賞】【主演男優賞】【助演女優賞】受賞

アカデミー賞はアメリカ映画なのに各部門にノミネートだけで受賞しなかった

6位  1979年、153分(202分)、アメリカ

アカデミー賞 【撮影賞】【音響賞】受賞

ゴールデングローブ賞監督賞】【助演男優賞】【作曲賞】受賞

英国アカデミー賞監督賞】【助演男優賞】受賞

カンヌ国際映画祭 【パルム・ドール】受賞

7位  1972年、177分、アメリカ

ゴールデングローブ賞作品賞 (ドラマ部門)】【監督賞 【主演男優賞 (ドラマ部門)】【脚本賞】【作曲賞】受賞

ニューヨーク映画批評家協会賞助演男優賞】受賞

2008年【歴代最高の映画ランキング500」(The 500 Greatest Movies of All Time)】(英『エンパイア』誌)第1位(パートIIは19位、パートIIIは282位)

 

8位  1958年、カラー、128分、アメリカ

 9位  1975年、カラー、108分、ロシア

10位  1948年、モノクロ、93分、イタリア

アカデミー賞名誉賞】受賞

ニューヨーク映画批評家協会賞 【外国語映画賞】受賞

英国アカデミー賞 【総合作品賞】受賞

キネマ旬報ベスト・テン第1位

 

・アメリカから5本と圧倒的

・フランスから0本、かろうじて『81/2』がイタリアとの合作

・日本以外のアジア諸国から0本

・『東京物語』の一位はトレンドだろう

・仮にタルコフスキーの作品を選ぶなら『僕の村は戦場だった』じゃない?『ノスタルジア』か?タルコフスキーの評価が高過ぎないか?他にもたくさんいるだろう・・・

 

 

 映画ファンの嗜好と近いと感じ理由は、ほとんどの映画がインパクト重視で選出されているからなのではないか。

唯一といってもいい例外の『東京物語』はどこか教科書的な選出関連が臭う。

(いや、素晴らしい映画であると1,000%思ってますよそりゃ、本心から。ただ選出の傾向について気になるわけで)

選出した監督の385人が『東京物語』を1953年公開時に日本で見た人がいるとは思えない。

そう言えば、1948年『自転車泥棒』1941年『市民ケーン』1958年『めまい』も同じだろうと返される(いやほとんどの映画を公開時には見ていない、しかもビデオでしか見ていない監督すらいるだろう)と思うが、この3本は後から見てもインパクト充分なので選ばれ続けているのだろう。

(ヒッチコック自身は「めまい」を後で失敗作と言っているし、ヒッチコックを代表するのがこれなのか?疑問はあり)

 しかしインパクトはその後模様され続けることで徐々に減じてしまう。

『市民ケーン』や『2001年宇宙の旅』がかつての順位より落ちてきているのはそういうことだろう。

 

それにしても1980年以降の映画から一本もベスト10に上がってこられなかったのは意外というか当然というべきか。

 

★誤解して欲しくないが、ランキング結果に違和感を感じ書いているだけで、

ここに上がった10本はいずれも素晴らしい映画であることを全く否定していない、ということだけは最後に書いておく。

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