1. 1969年
傑物の至言-1 橋本治
で紹介した1969(昭和44)年。
"1969年とは、それ以前の時代を引っ張って来た「思想」が終焉を迎える年なのだ。だからこそ騒がしく、その後には空疎なる「豊かさ」しかもたらさない"
橋下治(1999年『シリーズ20世紀の記憶』毎日新聞社)
そもそもの土台であった共産主義を土台にした理想主義が徐々に背後に隠れながらも、『自由』を合言葉にしたヒッピー、フラワー、サイケ文化が支配していた最後の年。
ピースサイン、
フラワー・ムーヴメント、
カウンター・カルチャー、
ヘイト・アシュベリー、
長髪、
ジーンズ、
ビートジェネレーション、
サイケデリック、
アート・ロック・・・
その象徴がウッドストック・フェスティバル/Woodstock Music and Art Festival。
アメリカでさえ怒っていた。
ベトナム戦争への介入という愚挙が理想を目指す人たちにとって格好の批判の的、怒りの矛先だった。
アメリカン・ニュー・シネマと呼ばれた重要な作品が興行的にも大成功。
日本でも大島渚の活躍、全共闘の活動が活発化していた。
”We haven’t had that spirit here since nineteen sixty-nine”
イーグルス/Eagles『ホテル・カリフォルニア/Hotel California』の歌詞より
イーグルス/Eaglesが『ホテル・カリフォルニア/Hotel California』で、
「1969年以来、魂は切らしております」
と歌った年。
2. 1969年の出来事
「1969年の音楽」「1969年の映画」などと区分けした方が見易いことは重々承知だが、例えば『イージー・ライダー』から音楽や反戦の要素を除けば意味が違ってきてしまう。
アーティストは大学祭で演奏をし、大学は大学紛争の只中だった。
それぞれが互いの活動を横目で見ながらジャンルを越え入り組んで創造していたのが60年代後半の状況だった。
そんなわけでジャンル分けなどせずに表を作成し、書いていく。
日付 | 出来事 | 年齢 | |
---|---|---|---|
1/5 | 音楽 | CCRがセカンド・アルバム『Bayou Countryバイヲー・カントリー』発売 | |
1/9 | 放送 | 『クイズタイムショック』、放送開始(NET:現テレビ朝日系) | |
1/12 | 音楽 | レッド・ツェッペリン/Led Zeppelinのファースト・アルバムがアメリカで発売 | |
1/13-22 | 音楽 | エルビス・プレスリーのメンフィス・セッション | 34歳 |
1/18-19 | 反戦 | 東大安田講堂事件。左翼の学生が東大本郷キャンパス安田講堂を占拠。 | |
1/20 | 音楽 | Beatles/ビートルズ、自社アップル・ビルの屋上で突如演奏 | 政治 | リチャード・ニクソンがアメリカ大統領に就任 | 56歳 |
1月 | 文学 | 安部公房『棒になった男』を発表 | 44歳 | 音楽 | フラワーズのシングル「ラスト・チャンス」発売 |
2/11 | 反体制 | 江藤小三郎が建国記念のこの日、国会議事堂前にて焼身自決 | 23歳 |
2/12 | スポーツ | モデルでレーサー福澤幸雄がテスト中に事故死 | 享年25歳 |
2/18-3/4 | 音楽 | ゲオルグ・ショルティ/Sir George Solti指揮,ウィーンフィルハーモニー管弦楽団来日 | 56歳 |
2/20 | 音楽 | 指揮者エルネスト・アンセルメ/Ernest Ansermet死去 | 享年85歳 |
2/21 | 音楽 | カルメンマキ「時には母のない子のように」でデビュー | 17歳 |
2/26 | 哲学 | 哲学者カール・ヤスパース/Karl Jaspers死去 | 享年86歳 |
2月 | 音楽 | エリック・クラプトン/Eric Clapton、ジンジャー・ベイカー/Ginger Baker、スティーヴ・ウィンウッド/Seve Winwoodとブラインド・フェイス/Blind Faith結成発表 | 音楽 | アングラ・レコード・クラブ (URC) 設立 | 音楽 | アレン・クレイン (Allen Klein)がBeatles/ビートルズのビジネスマネージャーに | 37歳 |
3/1 | 放送 | NHK-FM放送が本放送開始 | |
3/5 | 音楽 | 岡林信康、シングル「流れ者/チューリップのアップリケ」発売 | 22歳 |
3/10 | 音楽 | マリオ・プーゾ/Mario Puzoがアメリカで小説『ゴッドファーザー/The Godfather』を発表 | 48歳 |
3/12 | 音楽 | Beatles/ビートルズのポール・マッカートニーがリンダ・イーストンと結婚 | 音楽 | Beatles/ビートルズのジョージ・ハリスンとパティ・ボイドが大麻不法所持で逮捕される |
3/20 | 音楽 | Beatles/ビートルズのジョン・レノンと小野洋子が結婚 | |
3/25 | 音楽 | Beatles/ビートルズのジョン・レノンとヨーコ・オノがアムステルダムにてベッド・イン | |
3/30 | 反戦 | 活動家フランシーヌ・ルコント/Francine Lecomteが焼身自殺。 | 享年30歳 |
4/7 | 連続射殺魔永山則夫が逮捕される | 19歳 | |
4/9 | 音楽 | ボブ・ディラン/Bob Dylan『ナッシュヴィル・スカイライン/Nashville Skyline』発売 | 27歳 |
4/18,21,23 | 音楽 | ハービー・ハンコック/Herbie Hancock『ザ・プリズナー/The Prisoner』録音 | 29歳 |
4/27 | 放送 | コント55号の『コント55号の裏番組をブッ飛ばせ!』放送開始。 | 35歳/27歳 |
4/28 | 政治 | シャルル・ド・ゴールが仏大統領を辞任 | 79歳 |
4月 | 音楽 | 裸のラリーズが「バリケード・ア・ゴーゴー」で演奏 | – | 放送 | 『連想ゲーム』4月からNHK総合テレビで放送開始 |
5/11~13 | 音楽 | チック・コリア / Chick Coreaが後にアルバム『イズ/ Is』『サンダンス/Sundance』し収録される曲を録音 | 27歳 |
5/13 | 反戦 | 三島由紀夫が東大全共闘と公開討論 | 44歳 |
5/14 | 音楽 | アリス・コルトレーン/Alice Coltrane、アルバム『ハンティントン・アシュラム・モナストリー/Huntington Ashram Monastery 』 をレコーディング | 31歳 |
5/25 | 映画 | 『真夜中のカーボーイ/Midnight Cowboy』公開 | |
5/26 | 音楽 | Beatles/ビートルズのジョン・レノンとヨーコ・オノ2度目のベッド・イン | |
5/26,28 | 音楽 | トニー・ウィリアムス/Tony Williams『エマージェンシー!/ Emergency!』 を録音 | 23歳 |
5月 | 音楽 | Beatles/ビートルズのレノン&マッカートニーの楽曲管理会社ノーザン・ソングスが売却される | |
6/8 | 音楽 | ブライアン・ジョーンズ/Brian JonesがRolling Stones/ローリング・ストーンズを脱退 | 27歳 |
6/22 | 死去 | 女優ジュディ・ガーランド/Judy Garland死去 | 享年47歳 |
6/24 | 反戦 | 『二十歳の原点』の著者高野悦子自殺 | 享年20歳 |
6/28 | アメリカでストーンウォールの反乱勃発 | ー | |
6/29 | 中央競馬においてバスター事件 | ||
6月 | 反戦 | 泥沼のベトナムから米軍が段階的に撤退開始 | |
音楽 | Grateful Dead/グレイトフル・デッド、アルバム『Aoxomoxoa (アオクソモクソア)』発表 | ー | |
7月初旬 | 音楽 | Beatles/ビートルズ、アルバム『アビー・ロード』の本格的な録音開始 | |
7/2 | 音楽 | Beatles/ビートルズのジョン・レノンとヨーコ・オノが自動車事故 | |
7/2 | 映画 | 監督成瀬巳喜男死去 | 享年63歳 |
7/3 | 音楽 | ブライアン・ジョーンズ/Brian Jones(Rolling Stones/ローリング・ストーンズのオリジナル・メンバー)死去 | 享年27歳 |
7/5 | 音楽 | Rolling Stones/ローリング・ストーンズがハイド・パークでフリー・コンサート。新任ギタリストのミック・テイラー初ステージがブライアン・ジョーンズ/Brian Jones追悼コンサートに | 音楽 | ピアニストヴィルヘルム・バックハウス/Wilhelm Backhaus死去 | 享年85歳 | 放送 | 『颱風とざくろ』脚本:倉本聰、放送開始 |
7/9 | 音楽 | Beatles/ビートルズ、アビーロードスタジオ内にヨーコを寝かせるベッドが搬入される | |
7/14 | 映画 | 映画『イージー・ライダー/Easy Rider』全米公開(日本では1970年) | |
7/20 | アポロ11号が人類初の月面有人着陸 | ー | |
7/25 | 政治 | 「ニクソン・ドクトリン」を発表 | ー |
音楽 | Miles Davis/マイルス・デイヴィスがフランスでのフェスティバルで演奏。 | ||
7/30 | 音楽 | Miles Davis/マイルス・デイヴィスのアルバム、『イン・ア・サイレント・ウェイ/In A Silent Way』発売 | ー |
7月 | 音楽 | フラワーズのアルバム「チャレンジ!」発売 | ー |
音楽 | 「ザ・テンプターズ・オン・ステージ」発売 | ー | |
8/1 | 音楽 | 岡林信康、シングル「くそくらえ節/がいこつの唄」 アルバム「わたしを断罪せよ」発売 | 23歳 |
8/3 | 音楽 | CCRが、3枚目のアルバム『Green Riverグリーン・リヴァー』発売(この年2枚目) | |
8/8 | 音楽 | ビートルズのアルバム『アビー・ロード』のジャケット写真撮影が行われた | ー |
8/9 | 映画 | 女優シャロン・テート/Sharon Tateがカルト教団信者により殺害される | 享年26歳 |
8/9-10 | 音楽 | 第1回全日本フォークジャンボリー | |
8/15-17 | 音楽 | 『ウッドストック・フェスティバル/Woodstock Music and Art Festival』開催。40万人もの人が集まりやむなくフリーコンサートになる | |
8/18 | スポーツ | 夏の甲子園大会決勝(三沢高校vs松山商業)で延長18回引分け再試合へ | |
8/19-21 | 音楽 | Miles Davis/マイルス・デイヴィス、『ビッチェズ・ブリュー/Bitches Brew』をレコーディング | |
8/26-19 | 音楽 | アルバート・アイラー/Albert Ayler、最後のスタジオ・レコーディング | 33歳 |
8/27 | 映画 | 映画『男はつらいよ』第1作公開 | |
8月 | 音楽 | カン/CAN、『モンスター・ムーヴィー/Monster Movie』発売 | 音楽 | ハンブル・パイ/Humble Pie、デビュー・アルバム『アズ・セイフ・アズ・イエスタデイ・イズ/As Safe as Yesterday Is』発売 シングル「あいつ(Natural Born Bugie)」全英4位 2ndアルバム『タウン・アンド・カントリー/Town And Country』も1969年中に発売 |
音楽 | ジャックス解散 | ||
音楽 | 桑名正博シングル『朝の光が輝く時』 | ||
8/末〜9/上旬 | 映画 | ヴェネツィア国際映画祭においてコンペティション部門が廃止 | |
9/1 | 音楽 | アンドレ・カンドレデビュー・シングル『カンドレ・マンドレ」発売 | 21歳 |
9/3 | 政治 | ホー・チ・ミン(ベトナム民主共和国初代国家主席)死去 | 享年79歳 |
9/23 | 映画 | 映画『明日に向って撃て!/Butch Cassidy and the Sundance Kid』全米公開(日本では1970年) | |
9/26 | 音楽 | 『アビイ・ロード(Abbey Road)』発売(英) | |
9月 | 音楽 | はっぴいえんどの前身“ヴァレンタイン・ブルー”結成 | |
音楽 | 岡林信康、スケジュールを残したまま一時蒸発 | 23歳 | |
10/1 | 音楽 | 『アビイ・ロード(Abbey Road)』アメリカで発売 | |
10/4 | 放送 | ドリフターズの『8時だよ!全員集合』放送開始 | |
10/5 | 放送 | アニメ『サザエさん』放送開始 | |
放送 | 『サインはV』放送開始。 | ||
10/7 | スポーツ | プロ野球「黒い霧」事件で西鉄永易選手らが永久追放 | 放送 | 『巨泉×前武ゲバゲバ90分!』日テレ系で放送開始 |
10/10 | 音楽 | キング・クリムゾンKing Crimson『クリムゾン・キングの宮殿/In The Court Of The Crimson King』発売 | スポーツ | プロ野球金田正一投手(当時巨人軍)が通算400勝達成 | 36歳 |
10/14 | 映画 | ルキノ・ヴィスコンティ監督作『地獄に堕ちた勇者ども/The Damned / La caduta degli dei』イタリアで公開 | 62歳 |
10/15 | 文学 | 『悪徳の栄え』にわいせつ罪(刑法175条)の有罪判決(訳者澁澤龍彦) | 31歳 |
文学 | 筒井康隆『霊長類南へ』発刊 | 31歳 | |
10/21 | 文学 | 作家ジャック・ケルアック/Jack Kerouac死去 | 享年47歳 |
反戦 | 10.21国際反戦デー闘争 | ||
音楽 | 『アビイ・ロード(Abbey Road)』日本で発売 | ||
10/22 | 音楽 | レッド・ツェッペリン II/Led Zeppelin II発売 1/12ファースト発売からたったの9ヶ月 | |
10月 | 映画 | 黒澤明、木下惠介、市川崑、小林正樹らと四騎の会を結成 | |
10-12月 | 音楽 | ハービー・ハンコック/Herbie Hancock『ファット・アルバート・ロトゥンダ/Fat Albert Rotunda』録音、発売 | 29歳 |
11/2 | 音楽 | CCRが、4枚目のアルバム『Willy and the Poor Boysウィリー・アンド・プア・ボーイズ』発売(この年3枚目) | |
11/3 | ビジネス | 日産がフェアレディZを発売 | |
11/4 | 音楽 | David Bowieデヴィッド・ボウイが、アルバム『MAN OF WORDS / MAN OF MUSIC』発売 | |
11/10 | 音楽 | Grateful Dead/グレイトフル・デッド、アルバム『Live/Dead (ライヴ・デッド)』発表 | ー |
11/11 | ビジネス | 玉川髙島屋が開業 | |
11/24 | 文学 | 澁澤龍彦が前田龍子と結婚 | 41歳 |
11月 | 音楽 | Janis Joplin/ジャニス・ジョプリン、『コズミック・ブルースを歌う / I Got Dem Ol’ Kozmic Blues Again Mama!』をリリース | 26歳 |
12/1 | 音楽 | ギタリストマジック・サム/Magic Sam死去 | 享年32歳 |
12/5 | 音楽 | アンドレ・カンドレ2枚目のシングルA面『ビューティフル・ワンダフル・バーズ」発売 | 21歳 |
12/6 | 音楽 | オルタモントでのフリーコンサートでRolling Stones/ローリング・ストーンズが演奏中、警備のヘルス・エンジェルスのメンバーが一人の黒人観客を殺害。この模様は後に映画『ギミー・シェルター/Gimmie Shelter』の中にも収録された | |
12/31-1970/1/1 | 音楽 | Jimi Hendrix/ジミ・ヘンドリックス、フィルモア・イーストでライブ | |
12月 | 舞台 | ブロードウェイ・ミュージカル『ヘアー』が日本で上演(川添象郎プロデュース) | ー |
時期不明 | 音楽 | 村八分結成 | ー |
音楽 | ブルース・クリエイション結成 | ー | |
音楽 | マイク・ブルームフィールド&アル・クーパー/Mike Bloomfield & Al Kooper「フィルモアの奇蹟/The Live Adventures of Mike Bloomfield and Al Kooper」発売 | ー | |
音楽 | マイク・ブルームフィールドのソロ・アルバム『イッツ・ノット・キリング・ミー』を制作、『Live at Bill Graham’s Fillmore West』を発売 | ー | |
音楽 | ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズ (Blood, Sweat & Tears、BS&T)のセカンド・アルバム『ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズ (Blood, Sweat & Tears)』を発売 | ー | |
文学 | 阿佐田哲也が週刊大衆に『麻雀放浪記』を連載開始 | ー | |
音楽 | Luigi Nonoルイジ・ノーノこの年に3曲レコーディング | ー | |
音楽 | ギャヴィン・ブライアーズ/Gavin Bryars『タイタニック号の沈没』をレコーディング | ー | |
評論 | 間章、立教大学を中退。『ジャズ』誌に初の批評を発表 | ー | |
音楽 | Luigi Nonoルイジ・ノーノこの年に3曲レコーディング | ー | |
文学 | カート・ヴォネガットKurt Vonnegutの小説『スローターハウス5』(スローターハウス ファイブ、Slaughterhouse-Five, or The Children’s Crusade: A Duty-Dance With Death)が出版された。 | ー |
CCR(クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル/Creedence Clearwater Revival
前年デビューアルバムを発表後、この年は1/5、『Bayou Countryバイヲー・カントリー』
8/3、『Green Riverグリーン・リヴァー』
11/2、『Willy and the Poor Boysウィリー・アンド・プア・ボーイズ』と、この年は3枚のアルバムを発表。
『クイズタイムショック』
1/9、放送開始(NET:現テレビ朝日系)。1986/3まで続いた長寿人気番組。最初のMCは田宮二郎。今でもたまに特番として同フォーマットで放送されるレッド・ツェッペリン/Led Zeppelinのファースト・アルバム
1/12、レッド・ツェッペリン/Led Zeppelin(Gr.ジミー・ペイジ/Jimmy Page、Vo.ロバートプラント/Robert Plant、Dr.ジョン・ボンナム/John Bonhaum、Ba.ジョン・ポール・ジョーンズ/John Paul Jones)はジミー・ペイジがヤードバーズの最後のギタリストになり、当初はニュー・ヤードバーズとして結成。イギリスのバンドであるにも関わらず、ファースト・アルバムをイギリスより先にアメリカで発売したというのはジミー・ペイジ/Jimmy Pageの戦略であり画期的なことだった。レッド・ツェッペリン/Led Zeppelin(Gr.ジミー・ペイジ/Jimmy Page、Vo.ロバートプラント/Robert Plant、Dr.ジョン・ボンナム/John Bonhaum、Ba.ジョン・ポール・ジョーンズ/John Paul Jones)は売れっ子セッション・ギタリスト(本人も全て覚えていないくらいの録音でギターを弾いた)だったジミー・ペイジ/Jimmy Pageとジョン・ポール・ジョーンズ/John Paul Jonesが旧知の仲のプロだった。
ジミー・ペイジが長年の経験から成功の秘訣「光と陰」を形にする為の強力なメンバーとしてまだ知る人ぞ知る存在だったロバートプラント/Robert Plantとジョン・ボンナム/John Bohnumを誘い結成に至った。
レッド・ツェッペリン/Led Zeppelinの音楽はロックンロールをハード・ロックへと昇華させた。しばしば誤解、誤用されるがハード・ロックとヘビーメタルは同一ではない。。
レッド・ツェッペリン/Led Zeppelinは単純な形式主義のヘビーメタルではなく、複雑な音楽と精神性をミックスしたハード・ロックだったが、トラディショナル・フォーク、プログレッシヴ・ロック、ワールド・ミュージックの要素も含まれ、変調子を多用した高度な音楽を毎回リリースしたことによって最高のポジションを築いたのだった。
本作はファースト・アルバムということもありそこまでの要素が全て顕在化しているわけではないが、知人のレコード会社宣伝マンは最初にこのアルバムを聴いた時、「椅子からひっくり返るほどびっくりした」とその衝撃を語った。
この衝撃的なアルバムはたった9日間(36時間という説もあり)でレコーディングされたという。
wikipediaによれば全米だけで売上800万枚と記されているがいつの時点での集計なのかはわからない。 さらにこの年、セカンド・アルバムまで録音、発売してしまう。
卓上でコピペして曲を作り上げる現在からすればレベルが違い過ぎる。
A面 1.グッド・タイムズ・バッド・タイムズ – Good Times Bad Times (Page, Jones & Bonham)
シングルカット、全米80位までラインクイン
2.ゴナ・リーヴ・ユー – Babe I’m Gonna Leave You (Anne Bredon, arr., Page, Plant)アン・ブレドン作のフォーク・ソングをカバー。
3.ユー・シュック・ミー – You Shook Me (Willie Dixon, J. B. Lenoir)
ウィリー・ディクソンのブルーズ・ナンバーをカバー
4.幻惑されて -Dazed and Confused (Page)
クレジットはJimmy Pageのままだが元はフォーク・ナンバー。ヤードバーズ時代からレパートリーだった。原曲がズタズタになる程サイケデリックなアレンジが施され、ギターをバイオリンの弓で弾く箇所あり、中期までライブのハイライトを飾った。
B面 1.時が来たりて -Your Time is Gonna Come (Page & Jones)
2.ブラック・マウンテン・サイド -Black Mountain Side (Page)
トラッド・フォークを元にタブラなどを加え、インド色を出している。これを聴くだけでもこのバンドの音楽生の幅広さが伝わる。
4.コミュニケイション・ブレイクダウン -Communication Breakdown (Page, Jones & Bonham)シングル「グッド・タイムズ・バッド・タイムズ」のB面。プロモーションビデオを今でも見かけることがある。
5.君から離れられない -I Can’t Quit You Baby (Willie Dixon)
またもウィリー・デクソンの曲。この粘り感がたまらない。
6.ハウ・メニー・モア・タイムズ -How Many More Times (Page, Jones & Bonham)
DVD映像で残されたスタジオライブでもこの曲のカッコ良さ、テレキャスターを縦横無尽に引き倒すJimmy Pageの腕の確かさに今見ても震えがくる。
レッド・ツェッペリン II/Led Zeppelin II
10/22、セカンド・アルバム発売。ファースト・アルバムを1/22、セカンドを10/22という凄まじさ。米英ともにアルバム・チャート1位を獲得。wikiに全米だけで1,300万枚の売上とある。

とんでもないアルバムだ。
いきなりロバート・プラントが「aha!」と掛け声をかけ必殺のギター・リフのイントロから怒涛のハードロックが展開し、全開のエネルギーをぶつけられたと思えば、急に聞いたことのないサイケな転調で音楽なのか音響なのか身体の中をグシャグシャな音がのたうち回った後に元のハードロックへ戻る「胸いっぱいの愛を / Whole Lotta Love」こんな5分33秒もある変則的な曲がシングルカットされ全米4位に。この曲の存在が当初アルバム・セールスを牽引したことは間違いないだろう
A面
1-胸いっぱいの愛を / Whole Lotta Love (Bonham, Jones, Page, Plant, Dixon)
Willie Dixon作の「You Need Love」からの引用をクレジットしていなかった為訴訟沙汰に。
2-強き二人の愛 / What is and What Should Never Be (Page & Plant)
ブルーズなのかサイケなのかハードなのか、ジャンルで括れない魅力。
メロディも素敵だ
3-レモン・ソング / The Lemon Song (Bonham, Burnett, Jones, Page & Plant)
Howlin’ Wolfの「Killing Floor」がベースとなっており、後にクレジット明記した。Jimhi Hendrixは「Killing Floor」のタイトルのままステージで演っていた。ファースト、セカンド共にジミー・ペイジJimmy Pageは著作権無視でやりたい放題だったんですなぁ。
とはいえ他曲をヒントにしたにせよ、レッド・ツェッペリン/Led Zeppelinとしての発展のさせ方はカバー、編曲などというレベルじゃないものだった。
4-サンキュー / Thank You (Page & Plant)
いやぁ、いい曲なんですわぁ。
繊細かつ強力。まさに「光と陰」そのもの。
B面
1-ハートブレイカー / Heartbreaker (Bonham, Jones, Page & Plant)
AB面共にハード・ナンバーからスタートという定型を作ったわけですな。GFR、FreeにもRolling Stonesにもいずれもハードなナンバーという共通点がありつつ同名異曲があり、なぜ同タイトルがこんなに被るのか不思議に思った記憶がある。日常的な単語なんでしょうが
2-リヴィング・ラヴィング・メイド / Livin’ Lovin’ Maid
2曲連続ハードな曲で畳み掛ける。 3-ランブル・オン / Ramble on (Page & Plant)
そしてこういう風にアコースティック・ギターが登場してみたり
4-モビー・ディック / Moby Dick (Bonham, Jones & Page)
A面1局目の「胸いっぱいの愛を / Whole Lotta Love」がとんでもない曲である上にこの曲もまたとんでもない曲である。ドラム・ソロはジャズ界ではお馴染みだとしてもBonzo(John Bonham)のドラムソロを曲に高めてしまった。そして毎ステージのハイライト曲の一つとなった。
Bonzo死去後の最終アルバムには第2バージョンともいえる曲が収録された
5-ブリング・イット・オン・ホーム – Bring It on Home (Dixon,(Bonham, Jones, Page & Plant))
これもWillie Dixonの曲を当初はクレジットせず (Page & Plant)と表記していた。
頭と最終章はWillie Dixonの曲をベースにしているが途中の転換部からのハードな部分はオリジナルとして(Bonham, Jones, Page & Plant)と表記。
エルビス・プレスリーのメンフィス・セッション
1/13-22、メンフィスにて、後に全米1位となる「Suspicious Minds」やトップ3「In The Ghetto」、全米9位となる「Don’t Cry Daddy」など40テイクほどレコーディングした。東大安田講堂事件
1/18-19、左翼の学生が東大本郷キャンパス安田講堂を占拠。Beatles/ビートルズ
1/20、自社アップル・ビルの屋上で突如演奏(「ルーフトップ・セッション」)。 ライブ活動から離れていたバンドが原点回帰しようと「ゲット・バック・セッション」と呼ばれるレコーディングの最中だった。一連の流れと「ルーフトップ・セッション」の様子もフイルム撮影され一時は映画『レット・イット・ビー』として公開されテレビ放映、ビデオ発売もされたが、グループ内の軋轢をそのまま映している内容が痛々しい。現在はお蔵入りのまま
結局このセッションは途中崩壊し、ビートルズ解散後、『レットイットビー』として発売された。つまり『アビー・ロード』より先に録音されていたが発売は『アビー・ロード』の後になったので、発売作品としては公式ラストアルバムとなった。
2月、アレン・クレイン (Allen Klein)がマネージャーに。
アレン・クレイン (Allen Klein)は元ローリング・ストーンズの共同マネージャーだったがミック・ジャガーと揉め解雇され、今度はビートルズ(Beatles)のビジネスマネージャーに。これだけでも凄い話だ。
現在のように音楽業界のマネージメント、著作権管理が確立していない時代でアーティスト本人よりも周囲が不当に設ける構図が当たり前だった。後述するがビートルズは楽曲管理、アップル社など喰い物にされる対象が世界一あったことから裁判沙汰が頻繁になる。
アレン・クレイン (Allen Klein)と3人は契約をしたもののポール・マッカートニーだけは信用せず契約をしなかった。この事が翌年解散に至ってしまう大きな要因の一つであったことは間違いないだろう
3/12、ポール・マッカートニーがリンダ・イーストンと結婚
3/12、ジョージ・ハリスンとパティ・ボイドが大麻不法所持で逮捕される
3/20、ジョン・レノンと小野洋子が結婚
3/25、ジョン・レノンとヨーコ・オノがアムステルダムにてベッド・イン
この頃、リンゴ・スター、映画『マジック・クリスチャン』出演で撮影中だった
5/26、ジョン・レノンとヨーコ・オノが2度目のベッド・イン、 5月、レノン&マッカートニーの楽曲管理会社ノーザン・ソングスが売却される
7月初旬、アビーロードの本格的な録音開始
7/2、ジョン、ヨーコが自動車事故
7/9、アビーロードスタジオ内にヨーコを寝かせるベッドが搬入される
8/8、アルバム『アビー・ロード』ジャケット写真撮影が行われた
『アビイ・ロード/Abbey Road』
9/26、ビートルズ/Beatlesの『アビイ・ロード/Abbey Road』イギリスにて発売。アメリカ発売は10/1、日本は10/21。ビートルズのラスト・アルバム。発売は『レット・イット・ビー/Let It Be』が後だが、『アビイ・ロード/Abbey Road』の方が後に録音されたことはファンなら誰でも知っている。
当初のアルバム・タイトルはスタジオに置かれたメンソール煙草の名前から『エヴェレスト』という案だった
『必殺のB面』メドレーが収録されていることで永遠に語り継がれるアルバム。
ファンならずともロンドンに行ってアビーロード・スタジオを見学したり、横断歩道でジャケット写真の真似をする人は後を絶たない。
10月、アルバム・ジャケットからアメリカのDJがポール死亡説を唱える。 曰く、 ・ポールだけ裸足 ・映っている車のナンバー28IFはポールが生きていたら、の年齢 ほか A-1:「カム・トゥゲザー/Come Together」4:20 A-2:「サムシング/Something」3:02 A-3:「マックスウェルズ・シルヴァー・ハンマー/Maxwell’s Silver Hammer」3:28 A-4:「オー!ダーリン/Oh! Darling 」3:27 A-5:「オクトパス・ガーデン/Octopus’s Garden」2:51 A-6:「アイ・ウォント・ユーI Want You (She’s So Heavy)」7:47 B-1:「ヒア・カムズ・ザ・サン/Here Comes The Sun」3:06 B-2:「ビコーズ/Because」2:46 B-3:「ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネー/You Never Give Me Your Money」4:03 B-4:「サン・キングSun King」2:26 B-5:「ミーン・ミスター・マスタード/Mean Mr. Mustard」1:06 B-6:「ポリシーン・パン/Polythene Pam」1:13 B-7:「シー・ケイム・イン・スルー・ザ・バスルーム・ウィンドー/She Came In Through The Bathroom Window」1:59 B-8:「ゴールデン・スランバー/Golden Slumbers」1:31 B-9:「キャリー・ザット・ウェイト/Carry That Weight」1:36 B-10:「ジ・エンド/The End」2:22 B-11:「ハー・マジェスティー/Her Majesty」0:25
リチャード・ニクソン
1/20、 第37代アメリカ大統領に就任。7/25、「ニクソン・ドクトリン」を発表
1972年の『ウォーターゲート事件』が後に発覚し1974/8/8に辞任した。
『棒になった男』
1月、安部公房が戯曲「鞄」発表。この後、9月に「棒になった男」、書き下ろした「時の崖」の3部作で「棒になった男」を構成された。フラワーズ
内田裕也プロデュース(麻生レミVo、小林勝彦Gr)のバンド。1月、デビュー・シングル「ラスト・チャンス」発売。
7月、アルバム「チャレンジ!」発売
このバンドが翌年にフラワー・トラベリン・バンド(ジョー山中Vo,石間秀樹Gr)への発展する
江藤 小三郎
2/11建国記念日、国会議事堂前にてガソリンをかぶって焼身自決この行為を三島由紀夫が評価しており、後の三島の行動に影響を与えたとされる
福澤幸雄
2/12、モデルでレーサーだった。がテスト走行中に事故死(享年25歳)ゲオルグ・ショルティ/Sir George Solti
2/18 川崎、2/19 札幌、2/21-24 東京、26 名古屋、27 京都、28 大阪、3/1 福岡 3/4 新潟:シューベルト『交響曲第7番「未完成」』、ベートーベン『交響曲第7番』ほかをウィーンフィルハーモニー管弦楽団と来日公演指揮者エルネスト・アンセルメ/Ernest Ansermet
2/20、死去(享年85歳)。カルメンマキ
2/21、「時には母のない子のように」(作詞:寺山修司)でデビュー。17歳だった。ミリオンセラーとなり紅白歌合戦にも出場。その後ロック歌手へと転身、カルメン・マキ&ブルース・クリエイションを経て、カルメンマキ&OZなどで活躍。現在もバリバリの現役
哲学者カール・ヤスパース/Karl Jaspers
2/26、死去(享年86歳)ブラインド・フェイス/Blind Faith
2月、エリック・クラプトン/Eric Clapton、ジンジャー・ベイカー/Ginger Baker(この10/6に亡くなられてしまった、あぁ合掌)、スティーヴ・ウィンウッド/Seve Winwoodとブラインド・フェイス/Blind Faith結成発表。エリック・クラプトン/Eric Clapton(Gr)、ジンジャー・ベイカー/Ginger Baker(Dr)はCreamを解散させた後にスティーヴ・ウィンウッド/Seve Winwood(Key)の才能に注目し、リック・グレッチRick Gretch(Ba)を加え結成したスーパー・バンドと呼ばれたがアルバムを1枚発売しただけで解散した。
当初は、当然「+9」ではなく、6曲収録のアルバムだったが発掘音源9曲をプラスした2枚組15曲収録版。
後に発売された1969年当時のハイドパークでのライブ映像。必見
2007年以降、エリック・クラプトン/Eric Claptonとスティーヴ・ウィンウッド/Seve Winwood(Key)が共演した際には、この時の曲を演奏している。
アングラ・レコード・クラブ (URC)
2月に設立。当初は会員制だった。歌詞が過激で放送禁止となるような事態を避けるためのインディーズ・レーベルだった。アーティスト:五つの赤い風船、岩井宏、遠藤賢司、岡林信康、加川良、ザ・ディランⅡ、斉藤哲夫、高石友也、高田渡、友部正人、、中川五郎、はっぴいえんど、三上寛、六文銭
NHK-FM放送
3/1、本放送開始岡林信康
3/5、シングル「流れ者/チューリップのアップリケ」発売8/1、シングル「くそくらえ節/がいこつの唄」発売
8月、アルバム「わたしを断罪せよ」発売
9月、いきなり「フォークの神様」扱いされたことからの逃避と言われるが、スケジュールを残したまま一時蒸発。翌年4月にはステージに戻った。
『ゴッドファーザー/The Godfather』
3/10、マリオ・プーゾ/Mario Puzoがアメリカで発表した小説。ご存知の通り、1972年にフランシス・コッポラ監督により映画化。日本での小説刊行も1972年映画化のタイミングだった活動家フランシーヌ・ルコント/Francine Lecomte
3/30、焼身自殺(享年30歳)6月に、このことを新谷のり子が『フランシーヌの場合』という曲で歌い80万枚のヒットとなった。
永山則夫
4/7、「連続射殺魔」と称された永山則夫が逮捕された。死刑囚となった後、獄中で『無知の涙』を執筆しベストセラーとなった。ボブ・ディラン/Bob Dylan
4/9、『ナッシュヴィル・スカイライン/Nashville Skyline』発売。ハービー・ハンコック/Herbie Hancock
4/18,21,23、『ザ・プリズナー/The Prisoner』録音コント55号
4/27、『コント55号の裏番組をブッ飛ばせ!』放送開始。コント55号は坂上二郎と萩本欽一のコンビで前年からテレビ番組がヒットしここから絶頂期へ至る。
シャルル・ド・ゴール
4/28、仏大統領を辞任。裸のラリーズ
1967年結成。Gr水谷孝を中心としたバンド。1969/4月、京都大学の「バリケード・ア・ゴーゴー」(バリケードの中で行われたイベント)「で演奏。翌年3/31のよど号ハイジャックに加わった者が元メンバーだということで変に有名になった時期があった。
基本的にはメジャーと契約せず、孤高の存在としてライブ活動を続けた。
メンバーには久保田麻琴、山口富士夫が参加した時期もあった。
90年代、水谷が渡仏してから活動は下火になった一方で突如CD-Rによる音源が限定リリースされ、その音源をコピーした海賊版が出回るなど、ライブでしか見聴き出来なかった音が入手出来るようになった。水谷が現在も存命なのか、どこにいるかは謎である
『連想ゲーム』
4月からNHK総合テレビで放送開始(〜1991年3月まで続く人気クイズ番組だった)チック・コリア/ Chick Corea
5/11~13、『イズ/Is』『サンダンス/Sundance』 録音三島由紀夫
5/13、東大全共闘と公開討論。アリス・コルトレーン/Alice Coltrane
5/14、前年に続きセカンド・アルバムとなる『ハンティントン・アシュラム・モナストリー/Huntington Ashram Monastery 』 をレコーディング。John Coltraneと同じImpulse!レーベルからこの年中に発売された『真夜中のカーボーイ/Midnight Cowboy』
5/25公開。監督:ジョン・シュレシンジャー/John Schlesinger
主演:ジョン・ヴォイト/Jon Voight、ダスティン・ホフマン/Dustin Hoffman
挿入歌:「うわさの男/Everybody’s Talkin’」ハリー・ニルソン/Harry Nilsson(作詞作曲:Fred Neil)
アメリカンニューシネマの重要作。
アカデミー賞:作品賞/監督賞/脚色賞受賞
ゴールデングローブ賞:有望若手男優賞受賞=ジョン・ヴォイト
英国アカデミー賞 受賞:作品賞/監督賞/脚本賞/主演男優賞/編集賞/新人賞受賞
全米映画批評家協会賞 :主演男優賞=ジョン・ヴォイト
トニーウィリアムス/Tony Williams
1963年、17歳で抜擢された「黄金クインテット」(Miles Davis、Wayne Shorter、Herbie Hancock、Ron Carter)を抜け、5/26と5/28に3枚目のリーダー・アルバム 『エマージェンシー!/ Emergency!』 を録音John McLaughlin –gr/ Larry Young – organ/Tony Williams – dr, vo
ブライアン・ジョーンズ/Brian Jones
6/8、ローリング・ストーンズ/Rolling Stonesから脱退。ローリング・ストーンズ/Rolling Stonesのオリジナル・メンバー、リーダーだった。
バンド結成当初からブライアン・ジョーンズ/Brian Jonesが一番女の子の取り巻きが多く、人気、音楽性ともにミック・ジャガー、キース・リチャーズも敵わない存在だった。
ギター以外にも複数の楽器を弾きこなし、その才能と妖艶さは特に
アルバム『アフターマス/Aftermath』、
『ビトウィーン・ザ・バトンズ/Between the Buttons』、
『サタニック・マジェスティーズ/Their Satanic Majesties Request』
などにしっかりと記録されている。
しかし作詞作曲をするミックとキースがメインになり、ドラッグ依存の影響も手伝いバンド内で孤立化、ほとんどスタジオにも来ない状態が続いた。
バンド脱退という表向きの発表だったが、実質は解雇だったことが後に明らかになっている。 7/3、自宅プールで亡くなっているのが発見された(享年27歳)。(一時他殺説もあったが)
グループ脱退から1ヶ月も経たない悲報だった。
Rolling Stones/ローリング・ストーンズ
7/5、ハイド・パークでフリー・コンサート。新任ギタリストのミック・テイラーお披露目の予定がブライアン・ジョーンズ追悼という目的に。12/6、オルタモントでのフリーコンサートローリング・ストーンズが『Street Fightin’ Men』を演奏中、警備を担っていたヘルス・エンジェルスのメンバーが一人の黒人観客を殺害。この模様は後に映画『ギミー・シェルター/Gimmie Shelter』の中にも収録されている。
女優ジュディ・ガーランド/Judy Garland
6/22、死去(享年47歳)。『二十歳の原点』
6/24、著者の高野悦子自殺(享年20歳)。ストーンウォールの反乱
6/28、アメリカで勃発。バスター事件
6/29、中央競馬においての事件ベトナム戦争
6月、泥沼状態をいよいよ悟り、米軍が段階的に撤退開始。映画監督成瀬巳喜男
7/2、死去(享年63歳)。『浮雲』が最高傑作とされる評価が多いが成瀬自身はそうは思っていなかったという。野上照代さん(黒澤明監督の名スクリプター)が回想で「黒澤さんが一番尊敬していたのは成瀬監督」と言っている。欧州では溝口、小津、黒澤、成瀬を「日本の4巨匠」と評価している。ヴィルヘルム・バックハウス/Wilhelm Backhaus
7/5、『鍵盤の獅子王(Lion of the keyboard』と称された巨匠ピアニスト、死去(享年85歳)。直前のリサイタルでベートーヴェンのピアノソナタ18番第3楽章の途中で胸の不調から中断したものの戻って演奏を終えたという。その後病院に搬送され回復することなく亡くなった。
ベートーヴェン、ブラームス、ショパンに特に評価が高かった。
若き日にアントン・ルービンシュタイン国際コンクールのピアノ部門で優勝したときの2位がベラ・バルトークであった。バルトークはこの結果に失望しピアニストの道を断念したという。その後の大作曲家としての大成は1位になれなかったからこそなのかもしれない。
7/5、『颱風とざくろ』脚本:倉本聰(原作:石坂洋次郎)日本テレビ系でドラマ放送開始
映画『イージー・ライダー/Easy Rider』
7/14、全米公開(日本では1970年)。アメリカン・ニュー・シネマの最重要作品。主演のピーター・フォンダの父は名優ヘンリー・フォンダ、姉はジェーン・フォンダ。ほぼこの一作でスターに登りつめた。
冒頭の『ワイルドでいこう!/Born to be wild』(ステッペンウルフ/Steppenwolf)が大ヒット。他にもJimi Hendrix『If 6 Was 9』、ザ・バンド/The Band「The Weight/ザ・ウェイト」など多数ロックの名曲が使用された
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アポロ11号
7/20、人類初の月面有人着陸。アメリカ人ニール・アームストロング船長とバズ・オルドリン月着陸船操縦士の2名。Miles Davis/マイルス・デイヴィス
7/25、フランスでのフェスティバルで演奏。これは1993年に『1969 Miles』として発売された。7/30、マイルス・デイヴィス/Miles Davis『イン・ア・サイレント・ウェイ/In A Silent Way』発売。2/18に録音したばかりで7月には発売。この作品から「フュージョン」という呼称が使われ出したという説がある。
マイルス・デイヴィス/Miles Davis:トランペット
ウェイン・ショーター/Wayne Shorter:ソプラノ・サックス
ジョン・マクラフリン/John McLaughlin:エレクトリック・ギター
デイヴ・ホランド/Dave Holland:ベース
トニー・ウィリアムス/Tony Williams:ドラムズ
ハービー・ハンコック/Herbie Hancock:エレクトリック・ピアノ
チック・コリア/Chick Corea:エレクトリック・ピアノ
ジョー・ザヴィヌル/Joe Zawinul:オルガン
いつもながら後にそれぞれがリーダーとなるメンバーを揃えてしまうマイルス学校の凄さ
8/19-21、アルバム『ビッチェズ・ブリュー/Bitches Brew』をレコーディング。
「ザ・テンプターズ・オン・ステージ」
7月にラスト・アルバムが発売(4/20東京厚生年金会館にて収録された演奏)。女優シャロン・テート/Sharon Tate
8/9、チャールズ・マンソンを教祖とするカルト教団「ファミリー」の女信者3人がマンソンの殺人教唆により殺害される(享年26歳)。シャロン・テート/Sharon Tateはドラマ『じゃじゃ馬億万長者』や9本の映画出演実績のある女優で監督ロマン・ポランスキーと前年結婚し、妊娠8ヶ月の身だった。母子を含む5人が無差別に殺害され、実行犯のみならずチャールズ・マンソンも死刑判決を受けるも、死刑制度廃止により終身刑に減刑されたが獄中死。
クエンティン・タランティーノ監督の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』はこの事件を扱っている。
第1回全日本フォークジャンボリー
8/9-10、岐阜県中津川市にて1971年まで3年連続開催された。別名中津川フォークジャンボリー。出演:五つの赤い風船、岩井宏、遠藤賢司、岡林信康、上条恒彦、ジャックス(早川義夫、木田高介、谷野ひとし、つのだひろ-このライブ参加後にバンドは解散してしまう)、高石ともや、高田渡、田楽座、中川五郎
『ウッドストック・フェスティバル』
8/15-17、開催。事前に20万近くのチケットが売れていたが全米中からニューヨーク州の会場に若者たちが向かっているとの情報で急遽会場をヤスガー農場に変更した。結果40万人もの人が集まりやむなくフリーコンサートになった。
昨今流行のただ大勢のバンドが集結する「フェス」とは異なり、邦題に「平和と音楽の3日間」と付いているように当時はピース、フリーダムなど理想主義の象徴的なイベントとして行われた。この模様は撮影され、映画に詳しい。
リッチー・ヘイヴンス
(オープニング・アクトでずばり『フリーダム』の熱唱は胸が熱くなる)、
スワミ・サッチダナンダ、
スウィート・ウォーター、
バート・ソマー
(ミュージカル『ヘアー』にも出演した)、
ティム・ハーディン、
ラヴィ・シャンカール
(ジョージ・ハリスンなどに多大な影響を与えたインドのシタール奏者。いまやノラ・ジョーンズの父という紹介のされ方をすることが多くなった)が演奏中雨が降ってきた、
メラニー、
アロー・ガスリー、
ジョーン・バエズ
(フォーク・シンガーが3人続き初日のトリは既にこの時点で大物の風格あるこの人。ボブ・ディランを有名にした功績も忘れてはならない。素晴らしい歌声。)
RICHIE HAVENS,SWAMI SATCHIDANANDA,SWEETWATER,BERT SOMMER,TIM HARDIN, RAVI SHANKAR,MELANIE,ARLO GUTHRIE,JOAN BAEZ
8/16
クウィル、
カントリー・ジョー・マクドナルド、
サンタナ (いまだ現役!この時のステージが語り継がれるほどの名演。必聴!)、
ジョン・セバスチャン
(当初出場予定なく来場していたところ急遽演奏することになったらしい)、
キーフ・ハートレイ、ジ・インクレディブル・ストリング・バンド、
キャンド・ヒート、
マウンテン
(この年ファースト・アルバムを発表したばかりとは思えない演奏。いまだ現役!)、
Grateful Dead/グレイトフル・デッド
(アメリカン・ロック界でヒッピー野郎たちの最も敬愛するバンド。6月、アルバム『Aoxomoxoa (アオクソモクソア)』リリース
しかしこの日は機材の不調で本調子ではなかったという。いちいち書いていないが相当数のアーティストが後に『ドラッグを決めていたからよく覚えていない』など発言している様に観客のみならずアーティスト達にも夢うつつ、そして過酷な現場だった様だ)。
11/10、アルバム『Live/Dead (ライヴ・デッド)』(1/26、2/27、3/2の演奏)から成る2枚組リリース
クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(CCR)
この年3枚のアルバムをリリースし絶好調。
Janis Joplin/ジャニス・ジョプリン
前年のモンタレー・ポップに続き、ジャニス・ジョプリン・ウィズ・コズミック・ブルース・バンドとして歴史的熱唱。この後、Janisはバンドから脱退し、ソロ・アルバムとして11月、アルバム『コズミック・ブルースを歌う / I Got Dem Ol’ Kozmic Blues Again Mama!』をリリース。全米最高位4位
(有名どころが連続にプレイしてきて盛り上がりが増していきます)、
スライ&ファミリーストーン
(映画を観てもこの日のハイライトのひとつ。圧巻。脱帽。安い言い方になるが歴史的名演)、
ザ・フー
(スライの後でよくぞここまで、というほどフーも凄い!圧巻、歴史的名演)、
ジェファーソン・エアープレイン
(2日目のトリだが、もう朝。やりにくいことだったでしょう)
QUILL,COUNTRY JOE MCDONALD,SANTANA,JOHN SEBASTIAN,KEEF HARTLEY BAND,THE INCREDIBLE STRING BAND,CANNED HEAT,MOUNTAIN,GRATEFUL DEAD,CREEDENCE CLEARWATER REVIVAL,JANIS JOPLIN WITH THE KOZMIC BLUES BAND,SLY AND THE FAMILY STONE,THE WHO,JEFFERSON AIRPLANE
8/17
ジョー・コッカー・アンド・グリース・バンド
(いまもひしひしとくる熱唱)“どうやら雨は降りやんだらしい。かわりに、空からは、おだやかな音を響かせるヘリコプターからヒナギクの雨が降ってきた”『ウッドストック伝説 甦る“愛と平和”の’60年代』から引用
カントリー・ジョー・アンド・ザ・フィッシュ
(雨のせいでスケジュールが大幅に遅れてしまった中、「俺たちに電気は要らない」と言ったという)、
テン・イヤーズ・アフター
(既に午後8時を回っていたという。ウッドストックでの名演のひとつとして有名。早弾きアルヴィン・リー)、
ザ・バンド
(メンバーでウッドストックに住み着いてボブ・ディランのバック・バンドとしてキャリアは積んでいたものの自らは前年1968年にファースト・アルバム『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』を発表したばかりだった)、
ジョニー・ウィンター、
ブラッド・スウェット&ティアーズ/Blood, Sweat & Tears(BST)
この年に発表したセカンド・アルバム『Blood, Sweat & Tears』がグラミー賞最優秀アルバムを受賞)、
クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング
(デビュー・アルバムを発表したばかりでガチガチに緊張していたというが素晴らしい演奏)、
ポール・バターフィールド・ブルース・バンド(既に8/18の朝6時)、
シャナナ
(時間帯を別にすれば大トリを前に順番がチグハグな印象)、
Jimi Hendrix/ジミ・ヘンドリックス
そしていよいよ真打登場。ジプシー・サンズ&レインボウズ=新加入のビリー・コックス(Ba)ミッチ・ミッチェル(dr)やサイドギタリスト、パーカッショニストを従え登場。
しかし時は8/18月曜日の朝9時。かなりの観客が夢の世界から現実へ帰路についていたという。アメリカ国歌「THE STAR SPANGLED BANNER」から始まり、ジミヘン・ファンの間では「ラリパッパで」さほど高評価されていない演奏だが、高評価されていなくてこれかよ、という凄まじい演奏。このジミ・ヘンドリックスの演奏部分だけもDVD化されている。ジミ・ヘンドリックスの演奏中、帰る観客の後ろ姿、会場に散乱するゴミといった祭りの後が挿入される。ジミ・ヘンドリックスのこの真に歴史的演奏としか形容のしようがない時間が終わり、世界が夢見た理想的社会、生活がゆっくりと崩れていった。
この後、ジミ・ヘンドリックスは、バンドを解散し、
10月にはビリー・コックス(Ba)、バディ・マイルス(Dr)と「バンド・オブ・ジプシーズ」を結成
12/31-1970/1/1、フィルモア・イーストでライブ JOE COCKER AND THE GREASE BAND,COUNTRY JOE AND THE FISH,TEN YEARS AFTER,THE BAND,JOHNNY WINTER,BLOOD, SWEAT & TEARS,CROSBY, STILLS, NASH & YOUNG,PAUL BUTTERFIELD BLUES BAND,SHA NA NA,JIMI HENDRIX
夏の甲子園大会決勝
8/18、三沢高校vs松山商業で延長18回引分け再試合。アルバート・アイラー/Albert Ayler
8/26-19、後に『Music Is the Healing Force of the Universe』、『The Last Album』として発売される最後のスタジオ・レコーディング映画『男はつらいよ』
8/27、第1作公開カン/CAN
8月、アルバム『モンスター・ムーヴィー/Monster Movie』を発売シュトックハウゼン、ジョン・ケージなどに教えを請うたドイツのバンド。
マルコム・ムーニー(Vo)、ホルガー・シューカイ(Ba)、ミヒャエル・カローリ(Gr)、イルミン・シュミット(Ky)、ヤキ・リーベツァイト(Dr)
マルコム・ムーニーは脱退しミュンヘンでヒッピー生活をしていたダモ鈴木をバンドのヴォーカリスト誘った、というのが定説。
ダモ鈴木は1973年のアルバム『フューチャー・デイズ/Future Days』まで在籍した
ハンブル・パイ/Humble Pie
8月、デビュー・アルバム『アズ・セイフ・アズ・イエスタデイ・イズ/As Safe as Yesterday Is』発売。元スモール・フェイセスのスティーヴ・マリオット/Stephen Marriott、元ザ・ハードのピーター・フランプトン/Peter Framptonらが組んだことでハンブル・パイ/Humble Pieもブラインド・フェイス/Blind Faith同様にスーパー・グループと喧伝された。シングル・カットされた「あいつ(Natural Born Bugie)」は全英チャート4位まで上がった。
さらにこの年、セカンドアルバム『タウン・アンド・カントリー/Town And Country』まで発売した
ジャックス
8月、解散桑名正博
8月、シングル『朝の光が輝く時』(ファニー・カムパニー名義)作曲:ばんばひろふみ1971年にファニー・カンパニーとしてバンド活動を再開し、「スウィート・ホーム大阪」(名曲!)でデビュー
アンドレ・カンドレ
井上陽水の最初の芸名である。9/1、デビュー・シングルA面『カンドレ・マンドレ」B面「終りがないのは」発売。12/5、2枚目のシングルA面『ビューティフル・ワンダフル・バーズ」B面「闇の中で」発売。
1枚目同様売れなかった。
3枚のシングルを発表するも全く売れなかった。
シンガーを諦め、改めて大学進学(既に何度か受験に失敗していた)へ戻ろうかと悩んだ時期を経て、井上陽水として大ブレイクし現在に至る。
ヴェネツィア国際映画祭
毎年8/末〜9/上旬に開催されるヴェネツィア国際映画祭は1895年から開催されているビエンナーレ現代美術展のヴェネチア映画芸術国際展として、1932年から最古の国際映画祭としてスタートしかし、その受賞作品が「商業的過ぎる」などと批判を浴びたせいでこの1969年から1979年までコンペティション部門が廃止された。従って、1980年に再開されるまで受賞作はなしということになった
ホー・チ・ミン
ベトナム民主共和国初代国家主席、9/3死去(享年79歳)。『明日に向って撃て!/Butch Cassidy and the Sundance Kid』
9/23、全米公開(日本では1970年)。『イージー・ライダー』『真夜中のカーボーイ』と並ぶ重要作。はっぴいえんど
9月、前身“ヴァレンタイン・ブルー”結成。『8時だよ!全員集合』
10/4、放送開始。最高視聴率50.5%(1973/4/7)、平均視聴率も27.3%というお化け番組。80年代から『オレたちひょうきん族』の登場でしばしばライバル番組と比較されたが、後期には『オレたちひょうきん族』に視聴率を上回られた。1985/9/28まで約16年間803回放送。『サザエさん』
10/5放送開始。(現在も放送中)『サインはV』
10/5放送開始。バレーボールを扱ったドラマ。主演:岡田可愛。最高視聴率39.3%プロ野球「黒い霧」事件
10/7、西鉄永易選手らが永久追放。『巨泉×前武ゲバゲバ90分!』
10/7〜毎週火曜日20時からの90分番組として日本テレビ系列局で放送開始。1971/3/30まで続いた。「あっと驚く為五郎〜」(ハナ肇)、「ゲバゲバ・ピー」他、数々の流行を生んだ画期的なヴァラエティ番組のひとつ。ゲバルトから「ゲバ」を重ねて「ゲバゲバ」とネーミングしたのは当時放送作家だった小林信彦
主な出演者:大橋巨泉、前田武彦、左卜全、ハナ肇、小松方正、藤村俊二、常田富士男、萩本欽一、坂上二郎、宍戸錠、大辻伺郎、熊倉一雄、朝丘雪路、ジュディ・オング、うつみみどり、松岡きっこ、吉田日出子、宮本信子、小川知子、沖山秀子、小山ルミ、ほか
『クリムゾン・キングの宮殿/In The Court Of The Crimson King』
10/10発売、キング・クリムゾンKing Crimsonのファースト・アルバムにしてロック史上最重要アルバムの一枚。オープニングの『21st Century Schizoid Man (including “Mirrors”)』は当初『21世紀の精神異常者』と訳されていたが現在は『21世紀のスキッツォイド・マン』と変更された。日本語の訳がどう変わろうともこの一曲の威力、破壊力でこのバンドは突出した存在になった。オリジナル・メンバーのロバート・フリップ/Robert Frippだけが残り幾多の変遷を経、現在も存在し、この曲は現在のレパートリーに復活している。
金田正一
10/10、通算400勝達成(国鉄〜当時巨人軍)。今以て破られていない大記録。『地獄に堕ちた勇者ども/The Damned / La caduta degli dei』
10/14、イタリアで公開。日本公開は1970/1/27監督:ルキノ・ヴィスコンティ/Luchino Visconti
『悪徳の栄え』
『悪徳の栄え』は1959年に出版されたマルキ・ド・サド著、澁澤龍彦訳の書籍。10/15、本書をわいせつ文書として現代思潮社と澁澤龍彦を被告としてわいせつ罪(刑法175条)の有罪判決が出た。澁澤龍彦
11/24、41歳にして編集者の前田龍子と結婚(澁澤は再婚)『霊長類南へ』
筒井康隆は本作で第一回星雲賞(日本長編作品部門)受賞作家ジャック・ケルアック/Jack Kerouac
10/21、死去(享年47歳)。まさに時代の空気を作った「ビートニク」の代表的作家。
ヒッピー達のバイブル『路上/ON THE ROAD』の著者。
10.21国際反戦デー闘争
10/21、新左翼が機動隊と衝突。逮捕者1,500人以上。四騎の会
黒澤明、木下惠介、市川崑、小林正樹らで結成された会。翌年の『どですかでん』(黒澤明監督)、『化石』(小林正樹監督)の2作を製作しただけで解散した。
ハービー・ハンコック/Herbie Hancock
10-12月、『ファット・アルバート・ロトゥンダFat Albert Rotunda』録音、発売。フェアレディZ
11/3、日産が発売。David Bowieデヴィッド・ボウイ
11/4に発売されたアルバムは当初『MAN OF WORDS / MAN OF MUSIC』というタイトルだった。7/4にアポロ11号の月面着陸のタイミングを見計らって「Space Oddityスペイス・オディティ」をシングル・カットしたところ大ヒット。
後にアルバムを再発する際にアルバムタイトルも『Space Oddityスペイス・オディティ』に変更された
玉川髙島屋
11/11、開業。マジック・サム/Magic Sam
ギタリスト。12/1、死去(享年32歳)。『ヘアー』
12月、前年からブロードウェイで大ヒットしているミュージカル。川添象郎プロデュースで日本での上演(渋谷東横劇場)。主演は元ザ・タイガースの加橋かつみ。村八分
詳細な時期は不明だがサンフランシスコから帰国したチャー坊(柴田和志)が元ダイナマイツの山口富士夫(gr)とバンド村八分を結成。基本的にはローリングストーン・ライクなサウンドだが、退廃的、攻撃的な歌詞と当時の日本では最高レベルのギターで「本当に村八分は凄かった」と各ライブで伝説を残した。
当時発売された唯一のライブはいま聴いても名盤だが、「録音されている演奏はおとなし過ぎる、本当の村八分はこんなもんじゃなかった」という声が多い。
ブルース・クリエイション
左利きのギタリスト竹田和夫が布谷文夫(vo)らと結成。後にクリエイションと発展しシングルヒットを放つなどした。現在もまだ竹田和夫は元気にアメリカや国内ライブハウスでのライブを続けている。マイク・ブルームフィールド&アル・クーパー/Mike Bloomfield & Al Kooper
マイク・ブルームフィールド&アル・クーパーは前年5月に『スーパーセッション(Super Session)』を録音、7月に発売しアルバムチャート12位まで上がるヒット。いま尚名盤とされる。
この『フィルモアの奇蹟』も発売は1969年だが録音は1968年9月に録音された。
マイク・ブルームフィールドはこの年ソロ・アルバム『イッツ・ノット・キリング・ミー』を制作、また『Live at Bill Graham’s Fillmore West』を発売。
ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズ (Blood, Sweat & Tears、BS&T)
セカンド・アルバム『ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズ (Blood, Sweat & Tears)』を発売。大ヒットしこの年のグラミー賞最優秀アルバムを受賞『麻雀放浪記』
阿佐田哲也が週刊大衆に連載開始(〜1972年)Luigi Nonoルイジ・ノーノ
この年に、 * 磁気テープのための『我々はマルクスを食い尽くさない』 * 6人の女声、合唱と録音テープのための『そして、そこで彼は理解した』 * 声と磁気テープのための『音楽宣言 第1』 をレコーディングギャヴィン・ブライアーズ/Gavin Bryars
皆さんご存知、あの映画『タイタニック』で描かれた沈没した豪華客船タイタニック号についての『タイタニック号の沈没』をポーツマスの美術学生のためにレコーディングカート・ヴォネガットKurt Vonnegut
小説『スローターハウス5』(スローターハウス ファイブ、Slaughterhouse-Five, or The Children’s Crusade: A Duty-Dance With Death)が出版された。1970年ヒューゴー賞長編部門候補作。日本での出版は1973年3. 賞
<1969年の様々な受賞>
各賞 | 作品名 | 作者 |
---|---|---|
カンヌ国際映画祭パルム・ドール | If もしも…. / If…. | リンゼイ・アンダーソン / Lindsay Anderson |
カンヌ国際映画祭グランプリ | Ådalen ’31 | ボー・ヴィーデルベリ / Bo Widerberg |
ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞 | ー | ー |
ベルリン国際映画祭金熊賞 | 初の仕事 / Rani radovi | ジェリミール・ジルニク / Želimir Žilnik |
ベルリン国際映画祭銀熊賞 (審査員グランプリ) | – | – |
アカデミー作品賞 | 真夜中のカーボーイ / Midnight Cowboy | ジョン・シュレシンジャー / John Schlesinger |
キネマ旬報外国映画ベスト・テン1位 | アポロンの地獄(Edipo Re) | ピエル・パオロ・パゾリーニ(Pier Paolo Pasolini) |
キネマ旬報日本映画監督賞 | 心中天網島 | 篠田正浩 |
ノーベル文学賞 | サミュエル・ベケット / Samuel Beckett | ノーベル物理学賞 | マレー・ゲルマン | ノーベル化学賞 | デレック・バートン オッド・ハッセル | ノーベル生理学・医学賞 | マックス・デルブリュック アルフレッド・ハーシー サルバドール・エドワード・ルリア | ノーベル平和賞 | 国際労働機関 | ノーベル経済学賞 | ラグナル・フリッシュ ヤン・ティン |
ブッカー賞 | Something to Answer for | P・H・ニュービィ |
ゴンクール賞 | クリージー / Creezy | フェリシャン・マルソー |
ピューリッツァー賞 フィクション部門 | House Made of Dawn | N・スコット・ママデイ |
エドガー賞 長編賞 | 緊急の場合は / A Case of Need | ジェフリイ・ハドスン(マイケル・クライトン / Michael Crichtonの別名 |
英国推理作家協会(CWA)賞 | 英雄の誇り / A Pride of Heroes The Old English Peep Show | ピーター・ディキンスン / Peter Dickinson |
全米図書賞 | 異境 / Steps | イエールジ・コジンスキー |
ネビュラ賞 | 成長の儀式 / Rite of Passage | アレクセイ・パンシン |
ヒューゴー賞 | Stand on Zanzibar | ジョン・ブラナー |
芥川賞上半期 | 赤頭巾ちゃん気をつけて | 庄司薫 |
芥川賞上半期 | 深い河 | 田久保英夫 |
芥川賞下半期 | アカシヤの大連 | 清岡卓行 |
江戸川乱歩賞 | 高層の死角 | 森村誠一 |
ピューリッツァー賞 音楽部門 | 弦楽四重奏曲第3番 | カレル・フサ: |
レコード・アカデミー大賞 | ドイツ歌曲大全集 | F=ディースカウ/Fischer-Dieskau(Br) ほか |
スイングジャーナル ジャズ・ディスク大賞 | リベレーション・ミュージック・オーケストラ / Liberation Music Orchestr | チャーリー・ヘイデン / Charlie Haden |
グラミー賞最優秀レコード賞 | ミセス・ロビンソン / Mrs. Robinson | サイモン&ガーファンクル / Simon & Garfunkel |
グラミー賞最優秀アルバム賞 | ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズ (Blood, Sweat & Tears) | ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズ (Blood, Sweat & Tears、BS&T) |
日本レコード大賞 | いいじゃないの幸せならば | 佐良直美 |
日本レコード大賞最優秀新人賞 | 夜と朝のあいだに | ピーター |
プライムタイム・エミー賞 作品賞 (ドラマ部門) | NET Playhouse | NET |
★「作者」
映画賞の場合は、監督、
プライムタイム・エミー賞 作品賞 (ドラマ部門)の場合は放送局
★各賞の「–」は該当作品なし
4. ランキング
<1969年の全世界映画興行収入ランキング>
順位 | 曲名 | アーティスト名 | 主演 | 興収(万ドル) |
---|---|---|---|---|
1位 | 明日に向って撃て! | ジョージ・ロイ・ヒル | ポール・ニューマン , ロバート・レッドフォード | 1,0430 |
2位 | 女王陛下の007 | ピーター・ハント | ジョージ・レーゼンビー , ダイアナ・リグ | 8,200 |
3位 | 真夜中のカーボーイ | ジョン・シュレシンジャー | ジョン・ボイト , ダスティン・ホフマン | 6,222 |
4位 | イージー・ライダー | デニス・ホッパー | ピーター・フォンダ , デニス・ホッパー | 6,000 |
5位 | ハロー・ドーリー! | ジーン・ケリー | バーブラ・ストライサンド , ウォルター・マッソー | 3,313 |
6位 | ボブ&キャロル&テッド&アリス | ポール・マザースキー | ナタリー・ウッド , ロバート・カルプ | 3,189 |
7位 | ペンチャー・ワゴン | ジョシュア・ローガン | リー・マーヴィン , クリント・イーストウッド | 3,167 |
8位 | 勇気ある追跡 | Tom Jones | ジョン・ウェイン , キム・ダービー | 3,113 |
9位 | サボテンの花 | ジーン・サックス | ウォルター・マッソー , イングリッド・バーグマン | 2,588 |
10位 | 淫魔 | アルフ・シリマン・Jr | クリスチナ・ナート , ポーラ・エリクソン | 2,500 |
<1969年のキネマ旬報外国映画ベスト10>
順位 | 作品名 | 監督 | 主演 | 配給 | 配収(億円) |
---|---|---|---|---|---|
1位 | アポロンの地獄 | ピエル・パオロ・パゾリーニ | シルヴァーナ・マンガ | 日本ヘラルド | |
2位 | 真夜中のカーボーイ | ジョン・シュレシンジャー | ジョン・ボイト , ダスティン・ホフマン | UA | |
3位 | If もしも…. / If…. | リンゼイ・アンダーソン / Lindsay Anderson | マルコム・マクダウェル | PA | |
4位 | ウイークエンド | ジャン=リュック・ゴダール | ジャン・ヤンヌ | アトス・フィルム | |
5位 | ローズマリーの赤ちゃん | ロマン・ポランスキー | ミア・ファロー | PA | |
6位 | 泳ぐひと | フランク・ペリー | バート・ランカスター/Burt Lancaster | ||
7位 | できごと | ジョセフ・ロージー | ダーク・ボガード/Dirk Bogarde | LIP | |
8位 | フィクサー | ジョン・フランケンハイマー | アラン・ベイツ | MGM | |
9位 | ジョンとメリー | ピーター・イエーツ | ダスティン・ホフマン | FOX | |
10位 | さよならコロンバス | ラリー・ピアス | Richard Benjamin |
MGM=メトロ・ゴールドウィン・メイヤー
PA=パラマウント
UA=ユナイテッド・アーティスツ
WB=ワーナー・ブラザース
<1969年のキネマ旬報日本映画ベスト10>
順位 | 作品名 | 監督 | 主演 | 配給 | 配収(億円) |
---|---|---|---|---|---|
1位 | 心中天網島 | 篠田正浩監 | 中村吉右衛門、岩下志麻 | ATG | |
2位 | 私が棄てた女 | 浦山桐郎 | 河原崎長一郎、浅丘ルリ子 | 日活 | |
3位 | 少年 | 大島渚 | 渡辺文雄、 小山明子 | ATG | |
4位 | かげろう | 新藤兼人 | 乙羽信子 | 松竹 | |
5位 | 橋のない川 | 今井正 | 長山藍子、北林谷栄 | 12 | |
6位 | 男はつらいよ | 山田洋次 | 渥美清 | 松竹 | |
7位 | ベトナム | 山本薩夫 | |||
8位 | 新宿泥棒日記 | 大島渚 | 横尾忠則 | ATG | |
9位 | 続・男はつらいよ | 山田洋次 | 渥美清 | 松竹 | |
10位 | 風林火山 | 稲垣浩 | 三船敏郎 | 三船敏郎 |
大島渚監督作品が2本選出されている。
山田洋次監督の「男はつらいよ」もシリーズが始まり2本ともラインクイン。
<1969年の日本国内映画興行ランキング>
順位 | 作品名 | 監督 | 主演 | 配給 | 配収(億円) |
---|---|---|---|---|---|
1位 | 栄光への5000キロ | 蔵原惟繕 | 石原裕次郎 | 松竹映配 | 6.5 |
2位 | ブリット | ピーター・イエーツ | スティーブ・マックィーン , ジャクリーン・ビセット | WB | 4.4 |
3位 | 日本海大海戦 | 丸山誠治 | 三船敏郎 | 東宝 | 3.6 |
4位 | 超高層のあけぼの | 関川秀雄 | 池部良 | 東映 | 3.6 |
5位 | チキ・チキ・バン・バン | ケン・ヒューズ | ディック・ヴァン・ダイク , サリー・アン・ハウズ | UA | 3.5 |
6位 | 人斬り | 五社英雄 | 勝新太郎 | 大映 | 3.5 |
7位 | ウエスト・サイド物語 | ロバート・ワイズ , ジェローム・ロビンス | ナタリー・ウッド , リチャード・ベイマー | UA | 2.6 |
8位 | 荒鷲の要塞/Where Eagles Dare | ブライアン・G・ハットン | リチャード・バートン , クリント・イーストウッド | MGM | 2.6 |
9位 | 千夜一夜物語(アニメ) | 山本暎一 | ー | 日本ヘラルド | 2.6 |
10位 | 御用金 | 五社英雄 | 仲代達矢 | 東宝 | 2.5 |
WB=ワーナー・ブラザース
UA=ユナイテッド・アーティスツ
MGM=メトロ・ゴールドウィン・メイヤー
[年間映画興行収入ランキング]より引用
*資料により配収数字が異なるが、資料記載のまま引用する
<1969年の邦画興行ランキング>
順位 | 作品名 | 監督 | 主演 | 配給 | 配収(億円) |
---|---|---|---|---|---|
1位 | 栄光への5000キロ | 蔵原惟繕 | 石原裕次郎 | 松竹映配 | 6.5 |
2位 | 日本海大海戦 | 丸山誠治 | 三船敏郎 | 東宝 | 3.6 |
2位 | 超高層のあけぼの | 関川秀雄 | 池部良 | 東映 | 3.6 |
4位 | 人斬り | 五社英雄 | 勝新太郎 | 大映 | 3.5 |
5位 | 千夜一夜物語(アニメ) | 山本暎一 | ー | 日本ヘラルド | 2.9 |
6位 | 御用金 | 五社英雄 | 仲代達矢 | 東宝 | 2.5 |
7位 | 新網走番外地 流人岬の血斗 | 降旗康男 | 高倉健 | 東映 | 1.8 |
7位 | 日本侠客伝 花と龍 | マキノ雅弘 | 高倉健 | 東映 | 1.8 |
9位 | 日本暗殺秘録 | 中島貞夫 | 千葉真一 | 東映 | 1.6 |
9位 | コント55号 人類の大弱点 | 福田純 | コント55号 | 東宝 | 1.6 |
[wikipedia]より引用
*資料により配収数字が異なるが、資料記載のまま引用する
<1969年のBillboard chart 年間ランキング(シングル)>
順位 | 曲名 | アーティスト名 | |||
---|---|---|---|---|---|
1位 | シュガー・シュガー/SUGAR, SUGAR | アーチーズ/Archies | |||
2位 | 輝く星座 (アクエリアス)AQUARIUS/LET THE SUNSHINE IN(The Flesh Failures) | フィフス・ディメンション/5th Dimension | |||
3位 | I CAN’T GET NEXT TO YOU | Temptations | |||
4位 | HONKY TONK WOMEN | Rolling Stones | |||
5位 | EVERYDAY PEOPLE/td> | Sly & The Family Stone | |||
6位 | DIZZY | Tommy Roe | |||
7位 | HOT FUN IN THE SUMMERTIME | Sly & The Family Stone | |||
8位 | I’LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN | Tom Jones | |||
9位 | BUILD ME UP BUTTERCUP | Foundations | |||
10位 | CRIMSON AND CLOVER | Tommy James & The Shondells |
1位 シュガー・シュガー – アーチーズ/SUGAR, SUGAR – Archies
2位 輝く星座 (アクエリアス) – フィフス・ディメンション/AQUARIUS/LET THE SUNSHINE IN(The Flesh Failures) – 5th Dimension
ミュージカル『ヘアー』に採用された
3位 テンプテーションズ/I CAN’T GET NEXT TO YOU – Temptations
4位 HONKY TONK WOMEN – Rolling Stones
5位 スライ&ザ・ファミリーストーン/EVERYDAY PEOPLE – Sly & The Family Stone
『ウッドストック・フェスティバル/・フェスティバル』で大盛り上がりしたスライはこの年売れまくリ、7位にもランクイン。アルバム『スタンド』もバカ売れした。
6位 トミー・ロウ/DIZZY – Tommy Roe
7位 スライ&ザ・ファミリーストーン/HOT FUN IN THE SUMMERTIME – Sly & The Family Stone
5位に続いて年間トップ10に2曲もランクインされるほどSly & The Family Stoneの勢いは凄まじかった。
8位 I’LL NEVER FALL IN LOVE AGAIN – Tom Jones
9位 ファウンデーションズ/BUILD ME UP BUTTERCUP- Foundations
10位 トミー・ジェームス/CRIMSON AND CLOVER – Tommy James & The Shondells
1982年、ジョーン・ジェット&ブラックハーツがカバーし全米7位となる。
11位 ONE – Three Dog Night
スリー・ドッグ・ナイト
『Without You』で有名なハリー・ネルソン作。
12位 CRYSTAL BLUE PERSUASION – Tommy James & The Shondells
13位 HAIR – Cowsills
14位 TOO BUSY THINKING ABOUT MY BABY – Marvin Gaye
15位 LOVE THEME FROM ROMEO & JULIET – Henry Mancini & His Orchestra
16位 GET TOGETHER – Youngbloods
17位 GRAZING IN THE GRASS – Friends Of Distinction
18位 SUSPICIOUS MINDS – Elvis Presley
エルビスが全米チャート1位になった最後の曲。
19位 PROUD MARY – Creedence Clearwater Revival
通称CCR。5曲が全米2位になるも1曲も1位を取れなかった。
20位 WHAT DOES IT TAKE(To Win Your Love) – Jr. Walker & The All Stars
5. topics
<h4><流行語></h4>
wikipediaによれば
あっと驚くタメゴロー
バラエティ番組『ゲバゲバ90分』の中でハナ肇がエコノミック・アニマル
1960年パキスタン外相が日本の海外進出が経済的利潤追求を第一としていると日本に対し発言した、が元というから9年も経って流行ったというのは、日本国内で日本人が自虐的に、また批判をかわす意味で多用したのがこの頃だったのだろう。ニャロメ
赤塚不二夫が『少年サンデー』に連載した『もーれつア太郎』のキャラクターオヨビでない
植木等が番組『シャボン玉ホリデー』の中で出番でもないシーンに登場し「お呼びでない? こりゃまた失礼しました」と毎週のように言った定番ギャグがヒット。ハレンチ
永井豪の漫画『ハレンチ学園』よりオー、モーレツ!
丸善ガソリンのCMに出演したモデルの小川ローザが放つ一言が大流行。やったぜ、ベイビー
流行らせたのは、加藤茶、坂本九、大橋巨泉と諸説あるが、嬉しい時などに何かといえば「やったぜ、ベイビー」と言うのが流行った。1986年に『やったぜベイビー!』という全5話のドラマ(ビートたけしの『あの人』からドラマ化)が放送されたが、当然この流行の原点ではなく、むしろ逆。
はっぱふみふみ
大橋巨泉が。パイロット万年筆のCMで「みじかびの、きゃぷりてとれば、すぎちょびれ、すぎかきすらの、はっぱふみふ」とアドリブで放った言葉が大ヒット。クリープを入れないコーヒーなんて
森永製菓のCMで「クリープを入れないコーヒーなんて」とのコピーライトがOAされると、「〇〇だと、クリープを入れないコーヒーみたい」と比喩的に日常的に使われるようになった。ゲバ棒
正確には「ゲバルト棒」。政治活動家が持つ角材などの武器。「ゲバルト」とはドイツ語のGewalt(暴力・権力)。流行した、という言い方には違和感があるが、左翼運動、デモなどがニュースになることが多く、お茶の間にこの単語が浸透した。<何が終わったのか>
人間が複数存在することで集団、ルール、生存競争が生じる。それが部族、街、国家へ、因習、慣習、法律へ、競争、略奪、戦争へと巨大化していく過程で序列、位、優劣を産み差別、貧富の差へと繋がる。
「最初は」正しいことを目指した政治家も、「最初は」人の精神の安寧を願った宗教も巨大化する間に歪曲し醜く変貌する。
それが人の常として起こしてきた事柄に対しマルクスが『資本論』を著し「私有の放棄」という理想主義を掲げたことでこの星に生息する人間に大きな動きが生じた。
「最初」は純粋な理想に向かっていこうとした左翼思想や自由を求める心が「現実」と「理想」、「体制」と「反体制」という対立の上でしか進められなかったことは最初から勝負は見えていたのかもしれない。
しかしそれは今日現在振り返って「後出しジャンケン」で言えることであり、いつの時でも子供にもわかる「正しい」「理想」は素朴で純粋なものだったはずだ。
1969年8/15からの3日間全米中の若者がニューヨーク州の農場に集結したとしても、3日が終われば彼らも家路を急ぐしかなかった。
形としてのユートピアはまだどこにもないのかもしれない。しかしこの時代まで追い求め、散ってしまったように見える純粋に理想を求める心は一人一人がどう持ち続けているのか?捨ててしまったのか?忘れてしまったのか?最初から冗談だったよ、と嘯くのか?
50年前に終わってしまったこと、現在この星の各地で起きていることを見ると、この星の先もそんなに楽観的ではいられないと思ってしまう。(2019/10/17記)
携帯電話もデジタルも存在しなかったこの時期、人はアナログな環境の中で理想を追い求めた。
それが特に藝術、エンターテイメント分野で「行き過ぎた」こともあったかもしれない。
しかし藝術、エンターテイメント分野で限界なく進むことは藝術、エンターテイメントの特権であり、いつの日だってなんら問題はないことだ。
問題は、共産主義的思想の勝敗というレベルの決着ではなく、
「大と小」、「上と下」、「優と列」等の基準を捨てない限り、いつまで経っても権力者や為政者の私利私慾は終わらず、私有の寡占化、紛争という名の人殺しは留まることを知らない。
それはいまも現在進行形でますます先鋭化している問題であろう。
アナログからデジタルへと素晴らしい技術が生活環境を豊かにしてくれたとしても、人の心が萎縮し、人間の暗い面、弱い部分ばかりを強調する道具として活用され、人間がどんどん匿名性を強める日々は果たして50年前よりも進歩していると言い切れるのだろうか?
思想的背景など全く異なるが、現在様々なものが「レンタル」されるサービスがそれなりの事業的成功をみている状況はささやかなる「私有」「所有」への反抗だとは言えるだろう。
誰も彼もが異常な金額を払って「ブランド品」を買い求める狂騒は下火になっている。
財布(という道具)が欲しければ100円ショップでも買えるのに、何十万円も支払うことは、単なる所有欲だけでなく所有している自身の身分が欲しいという欲求もあるのだろう。
そうした気持ちを満足させられる人間は勝手に自己責任で行えばいいことであって、それが欲しいからといって他人から掠奪したり、独り占めする必要はない筈だ。
人間が行ってきた掠奪、制服、侵略などは、並べて「戦争」「殺人」へ繋がって自己欲求を肥大化させてきた。
企業活動の資本主義的拡大も「不要なもの」を買わせ続けることで前年対比利益の黒字維持をしていかねばならぬ道だ。
1969年頃までのとても稚拙で素朴過ぎる平和主義への希求は終わった。
今やこの星が向かうべき明るい思想はどこを見渡しても見つからない。
このままで行くと後10年未満でこの星は後戻り出来ない状態まできているという科学者たちの真剣な指摘は権力者、為政者たちには邪魔で聞きたくない言葉なのだろう。
人間が個人的な夢ではなく、人間全体が夢を持ち、この星を「良い」場所にしたいという皆んなの大合唱は1969年頃を境にして、終焉を迎えてしまったのかもしれない。
情報が溢れかえり、一つの説には必ず誰かが反証をぶつけ、どの情報が正しいのか、怪しいのか、裏があるのか、もう皆目分からない状態になってきてしまった。
これを書いている今、「何でもあり」になっていることは個人ベースでは一見よきことに思えるかもしれないが、全体から見れば「やけくそ」で「勝手にしろ」と言われているのと同義に聞こえてならない。(2019/10/20記)
当たり前のことだが、それまで順調に行っていた森羅万象がこの1969年にいきなりポキッと折れたなどということはあり得ない。
一例だが音楽シーンでは1967年に変革の兆し、試みがなされ、
1968年こそが最重要な年という指摘もある。
1968年が重要だとしても、その発展がこの1969年に頂点を迎え、
頂点ということはその後は下るか、崩れるか、壊れるかしかないということだろう。
アメリカ映画界では、これまでのハッピー・エンドがお決まりだった起承転結パターンを否定するアメリカン・ニュー・シネマの最重要作「イージー・ライダー」「明日に向かって撃て」「真夜中のカウボーイ」が公開された年だった。
映画は構想から撮影、編集、公開までの期間が長いので1969年公開ということは何年か前から構想されていることは当然だとしても。
不確かで、子供っぽく、未整理だったかもしれない「夢」「闘争」「運動」「試み」はこの年を境に弾け飛んだ。
それは「呑気な」70〜80年代へ突入する扉が開いたことを意味する。
1960年代に戻ろう、と単純に言うつもりはない。
たった50年どころか、シェクスピア、ベートーヴェンから隔たった時間がありながら、それらを超える作品がほとんど見当たらないことは事実としてあり、
シェクスピア、ベートーヴェンは電話もインターネットも無かった時代を生きた。
精神性に於いて人間はなぜ、幾多の難問を乗り越えることが出来ずに、
同じ過ちを繰り返すのだろうか?
科学技術、医学、デジタル化でその後、人間が大変革を起こしてきたと考える人間は多いだろう。
確かに寿命が延び、便利になり、生活や仕事の環境は特にデジタル化で大きく変化した。
しかし、時に指摘されるように、それらは人間を怠惰にし、人間から仕事を奪い、人間存在にも影響を与えている。
様々な「差別」は数十年で多少はマシになった様にも見えながら、
新たな「格差」を誕生させた。
相変わらず、戦争が起きていない瞬間が1日もないのがこの星の実態だ。
何やかや言っていても、早晩人間の限界が見えてくることだろう。
人間の限界よりも先にこの星の限界の方が早く来ないことを願うばかりだ。
(2019/10/26)
反戦の対象はアメリカではヴェトナム戦争、
日本ではベ平連が出来、
成田空港設置反対の三里塚闘争、
欧米に学び大学自治獲得、
(2019/11/)
<1969年に2作品以上を発表したアーティスト>
レッド・ツェッペリン/Led Zeppelin
1/22、ファースト・アルバム
10/22、セカンド・アルバム(米英ともにアルバム・チャート1位)
Miles Davis
三島由紀夫
小説
評論
戯曲
なんと8作品
CCR
1/5『Bayou Countryバイヲー・カントリー』
8/3『Green Riverグリーン・リヴァー』
11/2『Willy and the Poor Boysウィリー・アンド・プア・ボーイズ』
なんと3枚のアルバムをリリース。
Free
Grateful Dead/グレイトフル・デッド
6月、 Aoxomoxoa (アオクソモクソア)
11/10、Live/Dead (ライヴ・デッド)
ペンタングル
Fairport Convention/フェアポート・コンヴェンション
『What We Did on Our Holidays /ホワット・ウィ・ディド・オン・アワ・ホリデイズ』
『Unhalfbricking/アンハーフブリッキング(旧邦題ニュー・フォークの彗星)』 『Liege & Lief/リージ・アンド・リーフ』
3枚のアルバムをリリース
コロシアム
Grand Funk Railroad
ハンブル・パイ/Humble Pie
1/8月、デビュー・アルバム『アズ・セイフ・アズ・イエスタデイ・イズ/As Safe as Yesterday Is』
2/『タウン・アンド・カントリー/Town And Country』
映画『男はつらいよ』
<何が始まったのか>
日本の音楽シーンでは、
これまでのGS(グループ・サウンズ)ブームが去り、次々とバンドが解散した後、
・村八分
・ブルース・クリエイション
・はっぴいえんどの前身バンド
が結成されたことは『日本のロック』の夜明けの年だったと言える。
<翌年、亡くなってしまう人、こと>
ビートルズジミ・ヘンドリックス
ジャニス・ジョプリン
三島由紀夫
アルバート・アイラー/Albert Ayler シャルル・ド・ゴール
★このブログはアップした状態が完結ではなく、今後もちょこちょこと加筆、修正していきます。
事実だけを知りたいのならwikipediaその他が既にあるのだから、
1969年という年を紐解く為に、可能な限り細部に拘って加筆していきたいと思う。謂わば、終わらないブログとなるでしょう。