Netflix(ネットフリックス)が面白過ぎる
『殺人を無罪にする方法(How to Get Away with Murder)』は現在ABCで第6シーズンが放送中らしいけれども、NetFlix(ネットフリックス)ではシーズン4までが配信中。
一気見の醍醐味。
ビデオやDVDと違って、1話見終わっても何もしない。
DVDを入れ替えたり、サムネイルを選んでクリックしないでも、自動的に次のエピソードが再生される。
快楽の無限ループ。
我が家では3シーズンが終わり、4シーズンに突入してしまった。
現在配信中の最終シーズンに入ってしまうと、急に寂しくなる。
見終わってしまえば、シーズン5と6が配信されるのを待つ日々になる。
この期間が嫌なんだよなぁ。
半分以上を一気見の毎日で楽しんできて、終わりが近づくと、見終わってしまうことが急に勿体なくなり、ペースを落とす。
その為に、常に複数のドラマ・シリーズを並行して見ている。
新シーズンを待っているドラマもいくつかある。
Huluその他のチャンネルではこの「他になんかないか?」探しの結果が今ひとつだった。
どうしても今見ているドラマの世界観の中にいるから、類似のテーマはあまり好ましくない。
とはいえ、シリアスなトーンのドラマと同時に真反対のコメディも身体が受け付けない。
Huluその他のチャンネルは選択肢が物足りなかった。
しかし!
NetFlix(ネットフリックス)は凄い。
(言うまでもないが、私はNetFlix(ネットフリックス)の関係者でもなんでもない、公平な一視聴者だ)
初めて視る国のドラマが豊富、そのレベルの高さにも驚く。
見ても見ても、尽きることがない。
しかも、NetFlix Original(ネットフリックス・オリジナル)が豊富だ。
現在、『殺人を無罪にする方法(How to Get Away with Murder)』と並行して視るいるのが『13の理由(13 Reasons Why)』だ。
『13の理由(13 Reasons Why)』
2017年3月〜Netflix(ネットフリックス)で配信開始。
この年、最も数多く視聴されたドラマの一本となった。
現在、Netflix(ネットフリックス)ではシーズン3までが配信中。
シーズン4までの配信が決定している。
設定は学園モノ。
シーズン1が
2017年 サテライト賞:テレビドラマ部門作品賞ノミネート
主演のキャサリン・ラングフォード(Katherine Langford)が、
2017年 ゴールデングローブ賞テレビドラマ部門主演女優賞ノミネート
2017年 サテライト賞:テレビドラマ部門女優賞ノミネート
シーズン1を見た女性が自殺をしてしまったとして、家族がNetflix(ネットフリックス)に抗議。
Netflix(ネットフリックス)は問題と判断した箇所をカットした。
番組のオープニング、エンディングに出演者たちが、
「これを見ている君は独りじゃない。悩みは抱えていないで連絡を」と、
連絡先を告知し続けている。
ドラマ側が視聴者一人一人と本気で向き合う姿勢を示し、ずっと継続しているということ。
こんなドラマはなかったし、極力クレームが無いように「言われもしないうちから」忖度し、クレームがあったらすぐに自主規制するこの国のメディアや多くの制作者と覚悟が違うということが判る。
製作総指揮:
セレーナ・ゴメス(Selena Gomez)
制作:
ブライアン・ヨーキー(Brian Yorkey)
原作:
ジェイ・アッシャー(Jay Asher)
出演:
ディラン・ミネット(Dylan Minnette)クレイ
キャサリン・ラングフォード(Katherine Langford)ハンナ
アリーシャ・ボー(Alisha Boe)ジェシカ
ブランドン・フリン(Brandon Flynn)ジャスティン
ジャスティン・プレンティス(Justin Prentice)ブライス
ロス・バトラー(Ross Butler)ザック
クリスチャン・ナバロ(Christian Navarro)トニー
デヴィン・ドルイド(Devin Druid)タイラー
マイルズ・ハイザー(Miles Heizer)アレックス
ブレンダ・ストロング(Brenda Strong)ノラ
グレース・サイフ()
ケイト・ウォルシュ(Kate Walsh)ハンナの母
デレク・ルーク(Derek Luke)ケヴィン
ティモシー・グラナデロス(Timothy Granaderos)モンゴメリー
エイミー・ハーグリーヴス(Amy Hargreaves)クレイの母
ウィルソン・クルーズ()
アン・ウィンターズ()
ブライス・キャス()
RJ・ブラウン()
ジョシュ・ハミルトン()クレイの父
ブライアン・ダーシー・ジェームズ(Brian d’Arcy James)ハンナの父
『13の理由(13 Reasons Why)』の魅力
「学園モノ」というこれまた定番のジャンルでありながら、
このドラマの強度は固い。硬すぎる。恐ろしいほどまでに。
登場人物たちは多くの問題を抱えている。
誰しも、他人とは違う事情があるものだが、この生徒たちには色々あり過ぎる。
ドラマを作る以上、ありきたりな、凡庸な話だけでは進行できない。
過剰気味にキャラクター、背景を作るのは、当然のことなのだけれども、
それが単に「刺激的」であることが目的化しているならば本末転倒。
特にネット小説、ネットドラマ、深夜ドラマで顕著になった傾向だ。
「地上波できないこと」=極端にエロ、グロ、反社的であると勘違いした作品の横行。
我が国ではその傾向があるけれども、そんなレベルではNetflix(ネットフリックス)に採用されやしない。
中高校生の頃、最も気にしていたのはクラスや部活という社会だったし、親や教師よりも、自分が信用していたのは友人だ。
親や教師には本当のことなんか話さないけれど、友達との時間、恋愛、共有の秘密にこそ自分の世界があると思っていた。
ティーンの頃、何事も初めて体験していく時間は取り返しのつかない宝石のようなキラキラしていながらも、脆く、不安定で、危険なものだった。
それは自分のあの頃を思い返してみても、胸が締め付けられるほどの重さを損なうものではない。
でも、その友達との時間、関係は安定したものじゃなかっただろう。
年を経てもたいして安定するものじゃないのだけれど、それは後にならないとわからないことだ。
そして、段々と期待をしなくなり、諦めるということを覚えていく。
現在の、アメリカの、とても複雑に絡みあった学生生活は誰にとっても完全な形を形成することは困難なことだろう。
優等生とか、劣等生とか、生徒会長とか、スポーツが得意とか、そういう表出で成立させられる要素だけでは、傷つきやすい心が収まってくれない。
手を緩めることなく、学園生活の表裏が描かれる。
当然、裏の方が重々しく、執拗に。
10年少ししか生きていない人間にこんな事柄がのしかかっていいものか?
それが人生、そうなのか?
押し潰されそうな心に対して、周囲の大人はマニュアル的な、希望的な言葉でしか相対できないのか。
突きつけてくるものは、とても大きい。深い。
決して、一朝一夕に解決され得るものではない。
このドラマを見たから、すぐに何かが解決するものじゃないだろう。
そんなに甘いもんじゃない。
そんなに軽いもんじゃない。
寧ろ、大きく揺れてしまう人もいるかもしれない。
しかしながら、
兎にも角にも、
現実から目を背けずに真っ向から見続け、
「ともに考える」姿勢を持つドラマを制作する人間がいる国は素晴らしい。
人間にできることはそれなのだから。
一方、そうしたことすら放棄し、
配役でエンディングが判ってしまう、
お手軽で、金太郎飴のようなドラマしか制作しない国に、
いつから成り下がってしまったんだろう。
日本のドラマの悪口を書くことが目的のブログではないのだけれども、
こういうドラマを見ると、書かずにはいられない。